欧州ローカル列車の旅 > 2012年 > ドイツ > フルダ〜コブレンツ
目次 | フルダ Fulda |
フルダ〜ギーセン Fulda - Gießen | |
ギーセン〜リンブルク Gießen - Limburg | |
リンブルク〜コブレンツ Limburg - Koblenz |
広いドイツのほぼ中央あたりに、フルダという中都市がある。フランクフルトを州都とするヘッセン州にあり、広域的にはフランクフルトとの結びつきが強そうである。鉄道面で見ると、ハンブルクからハノーヴァーを経て南下する幹線が、ここでフランクフルト方面とニュルンベルク方面へと分かれる。高速新線もこの駅を通るので、鉄道の要衝の一つであり、ICE特急も停車する。街の人口は7万弱だそうだから、全部の特急が停まるほどではないが、乗り換え需要もあるからか、大半の列車が停まる。
大きく立派なフルダの駅舎 | フルダの本線ホームに停車中のICE特急列車 |
高速新線と在来の幹線の他に、ここから出ているローカル線もある。事前に地図などで見た限り、特徴の薄そうな、とりとめのない田舎を走る、としか言いようのない線である。こういう線こそ素顔のドイツが感じられるのでは、という少々苦しい言い訳を自分に言い聞かせる。もとより嫌なわけではないが、全線完乗を目指しているわけでもないので、限られた時間でもっと景色のいい線を選べばいいのに、と言われれば、抗弁の言葉もない。だがそれでも、行ったことのない所なら、どこにでも行ってみたいから、構わないのである。
フルダで降りるのは初めてであった。ドイツをまだほとんど知らない頃から、スッキリと単純で短いスペルの地名なので、一度で覚えてしまったのだが、大きな特徴のある街ではなさそうだ。観光で訪れる人は少ないであろう。ちょっと駅周辺を歩いてみたが、クリスマス休みということもあり、見事に静まり返っていた。そもそもドイツでは、クリスマスでなくても普通の日曜でも店は閉まっている。駅前の商店街をいくら歩いても、食べるもの一つ買えなかったりする。しかし鉄道はきちんと動いており、駅構内の店は開いている。そのせいか、駅の回りはパラパラと人がいる。暇そうにウィンドウ・ショッピングをしている人もいる。何となくブラブラと歩いているうちに、あいにく雨が降ってきたので、駅へ戻った。
静かで人も少ない休日の駅前通り | あいにく雨が降り始めた |
これから乗るのは、12時34分発のギーセン経由リンブルク行きである。距離は171キロ、途中駅は33もあり、その全てに停まり、3時間もかかる。今の日本なら立派な長距離鈍行であろう。発車ホームは38番線で、1番ホームの奥の切り欠けホームの一つである。それにしても、どうして38番線なのだろう。日本なら0番線にあたるローカル列車の発着する専用ホームだが、唐突に38という大きな数字が出てくるのがドイツの特徴だ。何か意味があるには違いない。
駅構内の発車案内板 | 38番ホームへ向かう |
車輌は新型軽快型2輌編成である。実際には色々な違いがあるのだろうが、最近、欧州でも増えてきているこのタイプの車輌は、私には、色を塗り替えたぐらいの違いであとは同じではないか、と思えるぐらいに、区別がつきにくい。とはいえ、赤と白が主流のドイツ国鉄の世界で、黄色を基調としたこの色彩は新鮮であり、陰鬱な冬にあっては明るさも感じさせてくれる。
フルダ38番線に停車中のリンブルク行き | フルダ発車前の車内 |
38番線の奥には36〜37番線のホームもあるが、35番線以下は無さそうだ。不思議な駅である。しかし38番線以外から出る列車があるのだろうか。少なくともこの前後、駅の時刻表を見る限り、そういう列車はなかった。
フルダを定刻12時34分に発車した。出るとほどなく、あっさり本線と分岐して左へカーヴする。単線である。街並みもすぐに途切れて、平凡な田舎の景色になる。冬枯れの小雨の田舎を淡々と走る。いきなりだが、正直、これといった特色もない。これが続けば、旅好きな人の多くもいずれ退屈するだろう。
最初の駅、オーバービンバッハ(Oberbimbach)まで、10分近くかかる。その後は1駅5分程度が多いのだが、大きな駅を出て最初だけ、駅間距離が長い。これは他でもしばしばみられるが、市内交通はバスなど別の交通機関があるため、機能分化した結果かもしれない。しかもそのオーバービンバッハも草原の中にある単線の無人駅で、駅周辺に人家らしきものもなく、乗降客もいない。
その後は、側線のある構内の広い交換駅もあり、駅周辺に小規模な集落が形成されている駅が多かった。バート・ザルツシュリル(Bad Salzschlirf)を出ると右手の丘の斜面に瀟洒な家が点在する牧歌的な風景が展開した。ヨーロッパの豊かな田舎を絵に描いたような景色だが、それも今日はどんよりとした小雨混じりの気候の中、モノトーンに沈んでいる。こういう景色は日が照っていればずっと綺麗だ。その次のアンガースバッハ(Angersbach)も、寂しげな風景の中にポツンとある感じの駅であった。
冬の寂しさを感じるアンガースバッハ駅 | ラウターバッハ・ノルドは立派な駅 |
フルダから25分5駅目のラウターバッハ・ノルド(Lauterbach Nord)に着く。堂々たる重厚な駅舎を構えた、駅らしい駅が現れた。町も大きいようで、ここでようやく人の動きがあり、数名の乗客が下車する。乗ってくる人もいた。列車は6分停車する。停車時間が長いのは列車交換のためかと思ったが、対向列車はなかった。後で調べると、今日はクリスマスのため間引きされているようで、普段ならフルダ行きと行き違う。
フルダ・ギーセン・リンブルク・コブレンツ・フランクフルト周辺鉄道路線図
Thomas Cook European Rail Timetable Summer 2013 edition より引用
ラウターバッハ・ノルドから、次のアルスフェルト(Alsfeld)までは、13分もかかる。しかし途中で駅を通過したようである。帰ってからドイツ国鉄のサイトで調べると、現在、停車列車はなく、バスやタクシーの乗継が表示された。利用の少ない小駅は鉄道に代わってバスで補完しているらしい。ドイツでは人家が結構ある所でも、利用者の少ない駅を廃止しているケースが多いようだ。これが日本のJRなら、路線が残っている限り、駅を廃止はしないだろう。日本でそういうことをしたのは名鉄ぐらいだろうか。
そのアルスフェルトで大勢降りた。といっても元々が空いていたから10名弱といったところか。ここは割と大きな町らしい。距離的にもフルダとの鉄道での行き来が便利な立地なのだろう。
大勢降りたアルスフェルト駅 | エーリングスハウゼンで列車交換 |
アルスフェルトから2つ先のエーリングスハウゼン(Ehringshausen)で、対向列車と行き違う。あちらが先に入線しており、こちらはすぐ発車する。そのあたりから落葉樹の雑木林が増えてきた。冬枯れの武蔵野を思い出す。こちらの方がだいぶ高緯度のはずで、専門家が見れば色々な違いもあるのだろうが、植物の知識に乏しい私には、似たように見える。色合いが多少違う程度だろうか。そういえばこの沿線には大きな川がない。水に恵まれない武蔵野台地の雑木林と重なった風景に感じられたのには、そういった共通性があるからかもしれない、
エーリングスハウゼン駅の光景 | 駅前が小綺麗なグリューンベルク駅 |
その後もとりとめのない、変化に乏しい田舎を淡々と走る。交換設備が撤去されて単線化された駅がいくつもある。この地方の中心駅で分岐路線もあるギーセン(Gießen)が近づいてくると、風景がモダンになってきた。
ギーセンは、人口7万余りの中都市である。第二次大戦でかなりの被害を受けた都市なので、古い町並みはあまり残っていないらしい。だから、ガイドブックなどにはほとんど載らない地味な町である。それでも科学博物館やドイツ最古のボタニック庭園などがあるそうだ。ドイツ人の間では、ギーセン大学があるので、学園都市として知られているらしい。
三角に分岐しているギーセン駅 | ギーセン駅に停車中のリンブルク行き |
このローカル列車では主要駅だし町も大きいので、ほぼ全ての乗客が入れ替わるかと思ったが、それほどでもない。半分ほどの客は降りたものの、乗り続ける人も案外いる。乗車の方がやや少なく、さらに空いてしまった。
鉄道駅としてのギーセンは、まずフランクフルトからの幹線が通っている。フランクフルトからギーセンは、66キロあり、IC特急で40分余りと、鉄道の利便性が高い。その幹線を横切って、わがローカル列車はリンブルクへ向け、さらにローカル線をたどる。こういう直通の運行形態は日本ではかなり珍しくなってしまったのではないかと思う。例えば、その昔は陸羽東線と陸羽西線を直通運転する普通列車があった。その場合の新庄駅に相当する。
フルダからギーセンまでの景色が単調だったのは、大きな川も山もなかったせいでもある。対するここギーセンから先は、ライン川の支流、ラーン川(Die Lahn)に沿って下る。そのため、トーマス ・クックの鉄道路線図でも、この先は景勝路線を表す黄緑色がついている。ギーセンまで我慢?したので、ここからが楽しみである。けれどもギーセンを出ると、むしろその手前より風景は都市っぽくなった。線路の方も単線非電化から複線電化にと昇格している。
そんな所を10分余り走り、ラーン川本流を橋で渡ると、ギーセンから2つ目のヴェッツラー(Wetzlar)に着く。乗降客はさほどではないが、やや大きな駅という感じで、駅の周囲も建物が多く、周辺は工場が目立つ産業都市のようだ。ここはギーセンの隣町で、独立した市でもある。カメラのライカの本社がこの街にあると聞いて、ちょっと意外な感じがした。もっともドイツは広い。そのほんの一部しか行ったことがない自分だから、当たり前と言えばそうだが、知らない所が山ほどあるな、と改めて思う。
ヴェッツラー駅 | ラーン川と区別のつかない湿地帯 |
ヴェッツラーで右へ、北西部の都市ジーゲン(Siegen)へ向かう線を分かつと、また田舎の風景に戻った。ここからリンブルクまでは、ラーン川の流れをたっぷり見せてくれる、なかなかの区間であった。景勝路線の色を塗るほどかどうかは意見が分かれる所かもしれないが、どのみち主観的なものだし、それは大した問題ではない。
グレーフェネック駅 | アウメナム駅停車中の眺め |
雨季の冬だから河原が広がって湿地になっているのか、と思うような所もあれば、結構都市化が進んだ所もある。古い路線だからか、蛇行する川の流れに忠実に沿ってカーヴを繰り返す所が多い。地図で見ても川にピタリと沿う区間が多く、直線距離よりだいぶ大回りしている。それでも列車のスピードはそこそこ速い。リンブルクの手前のルンケル(Runkel)では、川の対岸の高台に石造りの古い城もあった。廃墟のようであったが、恐らく中世の防衛拠点としての城だろう。
川にぴったり沿うアルフルト〜フィルマール間 | ルンケル駅付近から見えた城 |
そして間もなく終着リンブルク、という所で、高速新線がほぼ直角に上を横切る。リンブルクはローカル線でたどり着く街にふさわしいような風情だが、この高速新線は、フランクフルトとケルンを一直線に結ぶICE特急専用の新しい大動脈であり、この立体交差点の少し南に、リンブルク南(Limburg Süd)駅がある。街の中心とは離れているし、在来線との連絡もない独立した駅だが、ここからICEに乗れば、フランクフルトへ最速20分、ケルンへも45分で行けてしまう。日本なら「新リンブルク」駅である。実はリンブルクとはそういう便利な街なのである。しかし、そんなものは関係ないという風情で、わがローカル列車は昔ながらの中心部にあるリンブルク駅へ、15時35分、ぴったり定刻に到着した。
リンブルクでは、10分の待ち合わせで、15時45分発のコブレンツ行がある。急ぐ旅ではないし、その次でもいいのだが、日の短い今の季節、明るいうちにコブレンツに着こうと思えば、これに乗らなければならない。急いで駅前に出てみると、雨は止んでいた。
素っ気ないリンブルク駅舎 | クリスマスのリンブルク駅前通り |
たった10分の間に駅前を一瞥しただけで評価をするのは控えたいが、その限りで言うと、リンブルクは特に面白そうな街ではなかった。駅ビルは機能的なオフィスビル風で、味も素っ気もない。駅前は小ざっぱりした商店街で、もちろんクリスマスの今日は全ての店が閉まっている。
次に乗るコブレンツ行き列車 | コブレンツ行き発車前のホーム |
次に乗るのは、ここ始発のコブレンツ行き各駅停車で、52キロを67分かかる。途中駅は12駅あるので、平均駅間距離はちょうど4キロで、日本の地方のローカル線と似ている。車輌はやはり新型2輌だ。上を見てもパンタグラフがないので気動車らしい。構内に架線はしっかり張られているのだが、これから進むコブレンツ方面は非電化なのだろうか。フルダからの車輌と似たような形式と思われるが、あちらが黄色、こちらが緑を基調とした色合いなので、だいぶ違う車輌のようにも見える。
今度も空いていて、発車間際でもボックス席が楽に取れた。もっとも今日はクリスマスなので特別な日で、普段どの程度乗っているのかはわからない。発車してほどなく、広い操車場の脇を走るころ、雲の間からうっすらと日が差してきた。しかし冬至に近いこの時期の太陽は早くも地平線の向うの低い位置にあり、4時前ではあるが、もう夕方の風情である。
この区間もトーマス・クックの地図では、最後のコブレンツまで、ずっと景勝路線マークがついている。これもずっとラーン川に沿った景色を評価してのことであろうと想像はつく。それ以外に山や歴史的町並みなどの見どころが多いわけではなさそうだ。確かにこの線も先ほど同様、川の流れに忠実に沿ってラーン川を堪能させてくれる。下流に来た分、川幅も広い。そんな所に点々と町や村があり、5分ごとぐらいに停車して、少数の乗降客を扱う。乗降ゼロの駅もある。モダンな車輌の都市型路線かと思われるが、汽車時代の重厚な駅舎が荒れ果てて残っている所は多い。かつては駅員がいたのであろう。今はドイツも、自動券売機を一つか二つ備えるだけで、こういう駅は無人というのが一般的だ。
リンブルクの次のディーツ駅 | バート・エムス・ヴェスト駅の反対ホーム |
車内は空いていて、人の出入りも少なく落ち着いているが、あまり身なりの良くない中年夫婦らしきカップルがいて、缶ビールを飲んで大声でしゃべっている。特におばさんの方がひどい。時々、ビール片手に通路をうろうろする。絡まれたらいやだなと思っていたが、そういうことはなかった。
そんな区間を進むうちにコブレンツが近づいてきて、少し都会風の景色も現れてくる。ここからコブレンツまでは、ライン川の右岸沿いを行く路線を横切り、ライン川本流を渡って、左岸にあるコブレンツ中央駅へと入る、路線マニアには面白い区間である。
まず、この線最後の単独駅、フリードリッヒシェーゲン(Friedrichssegen)を発車する。ラーン川は右手にある。少しすると、線路は左右2つに分かれるはずである。左へ行くと、ライン川右岸をヴィスバーデン(Wiesbaden)方面へ行く線に合流し、右へ行くと、ラーン川を渡り、ケルン(Köln)方面への路線へと合流する。こちらは右へ行く。トーマス・クックの鉄道路線図ではそんな感じに描かれていたが、実際には左へ分岐する線はなかった。一部、引き込み線などになっていたが、もう線路はつながっていないようである。
次にほどなく左後方から複線電化の、ヴィスバーデンからの路線が合流してきて、交わる所にニーダーラーンシュタイン(Niederlahnstein)という駅がある。今までに比べると構内が広く、ホームも長い大きな駅だ。ローカル線が幹線に合流したという実感のある駅である。ヴィスバーデン方面への乗換駅だが、乗降客は少ない。
フリードリッヒシェーゲン駅 | ニーダーラーンシュタイン駅 |
ニーダーラーンシュタインを出ると、コブレンツ中心部へ寄らずにまっすぐ北上する線が、ライン川に沿って左へと一旦分かれていく。こちらはそれより右側を進み、ぐるりと左へ大回りする。右手に北からの線が合流してくると、一緒になって北上する線の上を跨ぎ、そしてライン川を長い鉄橋で渡る。私は以前にヴィスバーデンからコブレンツまで乗った時にも通ったので、この区間は初めてではないが、ライン川の本流を渡る雄大な景色は、やはり感動的である。
渡り終えると右へとカーヴし、ライン川の左岸を行く幹線の上を跨ぐようにして、ぐるりと合流する。このライン川左岸の路線は、フランクフルトからマインツ(Mainz)、コブレンツ、ボン(Bonn)を通ってケルンへとつながる、ライン川左岸の主要都市を結ぶドイツきっての主要路線である。かつては特急が頻繁に行き交った線だが、今はさきほどリンブルクで上を横切った高速新線に、ICE特急の大部分が移行してしまい、優等列車は少なくなった。それでも、ライン川右岸の路線が昔からローカル輸送中心だったのに対して、こちらは今も長距離列車を含み、様々な種別の列車が走っている。
そういう主要駅であるコブレンツ・ハウプトバンホフ(中央駅)の、屋根もない端っこのホームへ、列車は定刻に滑り込んだ。冬の短い日がだいぶ落ちて薄暗くなっていたが、まだそこそこ明るみが残っている。
私は駅を出るや否や、駅前通りをまっすぐ歩いた。地図もガイドブックも要らない。駅舎を背に直進すれば、ライン川の河畔に突き当たるまで10分とかからない。ここまで来たので、何とか完全に夜になる前にライン川を見たかったというわけである。
コブレンツ駅の構内 | コブレンツ駅正面 |
コブレンツは、高速新線時代以前のドイツ在来線主要駅の風情をそのままとどめた、好ましい駅である。ドイツも高速新線の新駅が増えると、こういう駅は減っていくのだろうか、などと考えながら、まだ明るさを残す駅前通りを行く。ライン川流域のこのあたりは、世界中から観光客を集める人気の高い場所である。しかしコブレンツの駅前通りは普通にモダンなドイツの都市という感じで、格別の情緒は感じない。もとより今日は駅構内を除くと店は全て閉まっている。道を歩く人も少ない。
駅からライン川へまっすぐ向かう道 | コブレンツのライン川 |
左におしゃれなホテルがあり、そこが駅前からの道の終わり。目の前にライン川が広がっている。改めて大河だなと感ずる。対岸にも建物など色々あり、ちょうど夕景が夜景に変わりつつある微妙な時間帯だったので、なかなか美しかったが、純粋な夜景として見れば、大したものではない。あの対岸を、ケルン方面への鉄道が走っているはずだが、このあたりは川辺ギリギリを走らないのか、列車は見えなかった。かの有名なライン川といえども、今日のこの場所は、観光地ではなく、犬の散歩などに来ている地元の人ぐらいしか見かけなかった。
10分ほど川の眺めを堪能するうちに、寒さも身に染みてきたので、早足で駅へ戻った。